蒐集品展示コーナー

 

作品1 谷文晁「花鳥図」6曲屏風

 

 渥美國泰著「写山楼谷文晁のすべて」(里文出版 H14.5.25刊)の中の指摘に 

「現代日本人の生活の中から実に数多くの書画、特に江戸期に民間にあった屏風とか掛軸とか画帖とか、日常庶民の生活の中に合ったものが失われつつある」 

とあります。その通りだと思います。 

 失われつつある「屏風」作品を取り上げました。 

 テレビでお馴染みのなんでも鑑定団にしばしば登場する「谷文晁(たにぶんちょう)宝暦13年(1763)~天保11年(1841)」です。 

 谷文晁は江戸時代の文化文政期の時代を代表する画家です。一説には2,000人の門人を擁したと言われています。画塾 写山楼では講義中、本物の文晁印を誰もが利用でき、自作を文晁作品だと偽って売り、糊口をしのぐ弟子が相当数いたようです。 

 61双の作品ですが、花が6枚、鳥が6枚の構成で、それぞれ独立した図です。12枚を一つの作品として作られたものではなく、12枚の作品を表装したものではないかと思います。 この作品も真贋ぬきで、私は楽しんでいます。

 

作品2 池大雅屏風

「山水でも人物でもすべて飄逸怪奇の筆であった。変幻出没捕捉すべからざるものがあった。一見きわめて醜陋の画のようで、よくよく見ると、その筆意の深遠と気品の高さとが人の心をうつのであった。」

 これは、本朝画人伝巻一 (村松梢風 昭和51810日 中央公論社)の「池大雅」からの引用です。

 作品を見ていると、そんな気がしてきます(笑)。

 それにしても、落款を見ると雅号の見本のようで、九霞 霞樵 橆名と3つも使われています。